おしえて!昆虫館

チョウ・ガについての質問

カイコは、キモイでしょうか?
カイコをキモイとかんじるかどうかは、人それぞれだと思うのですが、カイコの幼虫にはヘビの目玉のようなもようがあるので、それが、「キモイ」とかんじられるのかもしれません。でも、カイコは、人間に長い間かわれてきた虫で、改良が進み大変おとなしい昆虫です。幼虫も成虫もかわいいですよ。
どうして、マユは糸でからをつくるんですか?
チョウ目の昆虫、ガやチョウのなかまには、サナギになるときに幼虫が糸をはくものが多いです。体をこていするために、糸をまきつけるものや、糸でつくった「マユ」で体をすっぽりおおうものもいます。カイコは、マユをつくるときの糸が人間にとって高級な布「絹」の材料になるため、長い間に改良が進み大きなマユをつくるようになりました。
ナミアゲハは、何年ぐらい生きられる?
ナミアゲハは、成虫になってからは、2週間から1ヶ月ほどしか生きられません。卵から成虫になるまでに、40日ほどかかるので、卵から死ぬまでだいたい2ヶ月~2ヶ月半くらいの寿命です。サナギで冬をこす春型のアゲハは、冬眠の時期もふくめると、半年~8ヶ月ほど生きるということになりますね。
ちょちょは、なんではねでとぶの?
ちょうちょがはねでとぶりゆうは、いどうすることがもくてきだとかんがえられているよ。いどうすることで、ごはんをさがすことができるよ。ちょうのこどもたちのごはんもさがすことができるよ。けっこんあいてもさがすことができるよ。はねがあると、とおくまでいけるよ。じぶんでいきたいばしょにいけるよ。
チョウは、何種類いますか?
石川県では、127種確認されています。日本のチョウは、約250種とされています。当館チョウの園には、およそ10種います。何種類見つけられたかな?
チョウとガのちがいは?
チョウとガのちがいは、触覚や腹部の太さなどがありますが、例外もあるので、決めてにはなっていません。そもそも、チョウとガは同じ「チョウ目」とよばれるグループに属しています。
なんで、オオゴマダラはおすだけなんですか?
オオゴマダラには、メスもいますよ。でも、日曜日と祝日に出ている「チョウのぼうし」にはオスのチョウばかりが集まってきます。これは、ぼうしにふきつけられている「パラベン」という成分にひきよせられているからなのです。パラベンは、オスのチョウがメスにプロポーズする時に体の中でつくる「フェロモン」という物質の材料にそっくりだからです。つまり、オスがメスにプロポーズするためなのですね。
チョウはてきがきたら?
チョウは敵に襲われると、できるだけ高いところへとんで逃げます。また、オオゴマダラのような、体の中に毒を持っているチョウは、自分が敵におそわれにくいのを知っているので、あまり逃げません。
シータテハ(ちょうちょ)は、何年生きられるのですか?
シータテハですが、石川県では年に2回成虫になります。6~8月に成虫が出てくる「夏型」と、8~9月に出てくる「秋型」とがあります。夏型のシータテハの成虫は、2ヶ月ぐらいしか生きられませんが、秋型の成虫はそのまま冬を越して次の年の6月ごろまで、9~10ヶ月生きています。同じ種でも、寿命が違うチョウもいますよ。
なんで、チョウはいろんな色をしているんですか?
チョウは虫の中でも、そこそこ目がよく、いろいろな色を見分けることができます。私たちがチョウのハネの「色」や「もよう」で名前を調べるように、チョウも自分の仲間を「色」や「もよう」でだいたい見分けます。なかまを見分けるためというのが1つの理由です。
チョウはどうやって見分けるの?
チョウは、種類ごとにはねのもようがちがっています。だから、はねのもようをみればみわけられます。
ゴイシシジミは、なんで点てんの羽なんですか?
ハネの点てんもようが、囲碁の石のようなので、人間が「碁石シジミ」と名前をつけたからです。チョウは、ハネの色やもようでなかまと見分けているようなので、なかまへのあいずかもしれません。
ちょうちょは、どうしてリボンみたいな形をしているのですか?
チョウのハネは、空気のうずを作ったり、風をじょうずにつかまえるために、リボンのような形をしています。つまり、リボンのような形をしていることで、じょうずに飛ぶことができるのです。
なんで、いもむしはやわらかくて、みどりなんですか?
なぜ、やわらかいのかは、わかりません。おそらく、やわらかいほうが、からだがのびたり、ちぢんだりできるので、たくさんごはんをたべられるのだとおもいます。やわらかいいもむしは、せいちょうのスピードがはやいですよ。いろは、みどりだけでなく、ちゃいろやオレンジなどさまざまです。はっぱにかくれたり、おどろかせたりするためにしんかしたんだね。
ちょうのはねはなぜきれいですか?
・左右対称(右側と左側が全く同じ)
・人間は右と左が全く同じものを「美しい」と感じます。
ちょうちょは、どうしてあんなにきれいなはねなんですか?
一番の理由は、結婚相手を見つけやすい、みつけられやすいようにするためと考えられています。そのため、種類ごとにさまざまな色やもようがあり、自分と同じなかまを見分けているのです。また、チョウとガは、同じチョウ目の虫ですが、チョウ目の中で、昼間に活動し人間から見てきれいなものが、「チョウ」と呼ばれていることも、理由の一つと考えられています。
なんで、ちょうちょと言うのですか?
ちょうちょは、もともと「チョウ」という名前で、漢字で書くと「蝶」です。葉っぱのようにひらひらした虫だからとおもわれます。そして、「蝶」には音読みしかなく、昔、中国から漢字が伝わったときの読み方が元になっていると考えられます。(古い日本語では「てふ」と書きました。)日本には昔からかわいらしいものの名前を2回くり返すことばがあり、「ちょうちょ」もその中の一つとかんがえられます。
ちょうちょねますか?
チョウも眠っているみたいだよ。夕方になると、木の葉の先なんかに止まって動かなくなるんだ。きっとねむっているんだと思うよ。
ちょうの一番大きいのは?
「アレクサンドラトリバネアゲハ」です。パプアニューギニアにいる、せかいいち大きなチョウだよ!ちなみに、ハネのめんせきがせかいいちなのは「ゴライアストリバネアゲハ」です。日本で、一番大きなチョウは、オオゴマダラかモンキアゲハですよ。
せかい一大きいチョウは、何ですか?
パプアニューギニアにすむ、「アレキサンドラトリバネアゲハ」のメスです。なんと前ばねの長さ(片方)が13㎝もあります。ちなみに が ですと、「オオヨナグニサン」のメスで、前ばねの長さが13.5㎝もあります。
くろいちょうはなんびきいますか?
チョウの園にはだいたい300頭以上いますよ。シロオビアゲハが今一番多いかな?続いてクロアゲハが多いよ。オナガアゲハも実は、いるよ。探してみてね!!
ちょうちょはこわくないですか?こわい虫はいますか?
チョウはさしたり、かんだりしないので、こわくないですよ。さしたりかんだりするキケンな虫は、やっぱりちょっとこわいです。はじめて見る虫は、キケンがないか調べてからさわるようにしていますよ。
なんでもんしろちょうはどうしてしろいの?
チョウの色は様々で、モンシロチョウだけが白いわけではないよ!!ちょっと難しい話しだけど、色は光の波長や反射の組み合わせで変化したりするよ。
なんでちょうはいつもぼうしについたままなの?
チョウの園に日曜と祝日だけ出ている「チョウのぼうし」には、オオゴマダラのオスが好きな成分がスプレーされています。ぼうしをかぶろうとしてゆらすと、逃げることがありますが、しばらくすると、戻ってきますよ。
どうすれば、チョウがとまってくれるんですか?
チョウの帽子にはパラベンがついているよ。これは抗菌成分として化粧品や整髪料に使われているよ。パラベンはパラオキシ安息香酸エステルと言う有機化合物の総称だよ。オオゴマダラはこれを元にオスがフェロモンを作るよ。
日本に生息する青色がきれいな蝶は、天敵にねらわれやすいので生き残るのが大変そう
ですが、青色の利点は何ですか?
なるほど~。利点としては、おそらく青色というのは、人間が思うほど目立つ色ではないのかもしれません。人間から見て青色でも、虫の眼では違う色に見えている可能性があります。花の色が、黄や白が多く、青が少ないのも、虫に見えにくいからかもしれません。チョウの色やもようは主に、仲間を見わけるためですので、青いハネもその中の一つと考えられます。あとは、メスへのアピールです!!
チョウは全部で何びきいるんですか?
野外にいる数は多すぎてわかりません。昆虫館チョウの園には約1000匹います。幼虫を育てている部屋には約2000匹の幼虫とサナギがいます。
なんでチョウのしゅるいがいっぱいあるの?
地球には暑い寒い、山、草地、など、いろいろな環境があります。チョウだけではなく生物は、いろいろな環境で生活できるように、姿を変えました。そのため、いろいろな環境に合ったたくさんの種類の生物がいます。種類が多いのは、地球にいろいろな環境があるからです。
ちょうちょはどうしてとべるのですか?
体がとても軽く、強い胸の筋肉でハネをすばやく動かすことができるからです。
どうしてチャドクガは どくがあるんですか?
チャドクガは敵に食べられないように、ドクのある毛を体にはやしています。卵から出てすぐは、この毛がありません。一度脱皮をすると毛がはえ、最終的に50万本ぐらいのドクの毛がはえます。
チョウはどこからとってきたんですか?
沖縄や昆虫館のまわりでつかまえてきたよ!それから他の昆虫館や昆虫園から交換してもらっているよ。
ちょう、なんびきつかまえたことありますか?
ぼくは、ちょうのせんもんじゃあないけど、100ぴきいじょうはとったことがあるよ。せんもんのしろありは、1000万びきいじょうは、とってるよ。
ちょうのはねは、ちがながれていますか?
チョウのはねには、血が流れていません。チョウがサナギから出てきたばかりの時、縮んだはねに体液を流しこんではねをのばしますが、とべるようになる頃には、すっかりかわいて固まるのですよ。
どうしていつもちょうちょはとまってくれないの?
チョウは人間がこわいので、ふつうはとまってくれません。おなかがすいているときは、汗をすためにとまったり、好きなにおいをすうためにとまることがあります。
オオムラサキはどうしてとりをおいかけるのですか?
自分の陣地に敵が入ってきたと思い、追い払うために追いかけます。鳥以外も追いかけます。
モンキちょうは、なんでモンキー?
黒い点のようなもようを「紋」といいます。モンキチョウは、はねが黄色くて、紋があるので、「モンキチョウ」と呼ばれるようになりました。
チョウのハネのこなは何ですか?
鱗粉といいます。これは毛が変化したものです。水をはじいたり、匂いを出したり、構造色をうみだしたりと様々な機能があります。
日本のちょうちょのなかでいちばんめずらしいちょうちょはなんですか?
オオウラギンヒョウモンです。もうほとんどぜつめつしているチョウです。ぼくもみてみたいです。つかまえたらみせて下さいね。
チョウはオスとメスで必ずもようがちがうんですか?
必ずではないですよ。たとえばチョウのそのでとんでいるオオゴマダラは、オスとメスのもようがおなじだよ。
どうして、ちょうのはねはさわってはいけないの?
チョウは、はねがやぶれると、とべなくなってしまいます。チョウには、おいしゃさんがいないので、やぶれたはねは、もとにもどりません。
ちょうちょはなんではなにとまるのですか?
チョウは花のみつをたべます。また自分のハネと同じ色の花にとまると、見つかりにくくなります。ごはんを食べたり休んだりするためです。
なんでチョウのしゅるいがいっぱいあるの?
昆虫は、いろいろな種類に分かれていくことで、いろいろな場所で生活できるようになりました。種類が多いのは、生き残るためです。
モルフォちょうがキラキラなのは何のためですか?
モルフォチョウはオスだけがキラキラと美しい色をしています。これは、遠くの仲間に自分をみつけてもらうためだと言われています。
わたしはちょうをつかまえたことがありますが、こながとれてしまいました。
やせいのチョウはどうですか?
チョウの中にも粉(鱗粉といいます)がとれやすいものと、とれにくいものがいます。
とれやすいもの→アゲハチョウの仲間モンシロチョウの仲間など。
とれにくいもの→マダラチョウの仲間などです。
ゴマダラは、みつのちがいでおすとめすではちがいがありますか?
おすとめすですうみつにちがいはないです。いっしょだよ。
私はチョウの勉強でアゲハはミカンの葉で、モンシロチョウはキャベツだと教えて
もらいました。ほかの物はたべないのですか?
アゲハのなかまはミカン科の葉を食べるものが多いですが、種類によっては違うものを食べるものもいます。例えは、カラスアゲハはミカンではなくカラスザンショウを食べます。ジャコウアゲハはウマノスズクサを食べますし、ギフチョウはカンアオイを食べます。モンシロチョウは、キャベツも食べますが、菜の花やコマツナなど、アブラナ科の葉を食べることができます。
ちょうちょのしゅるいは、なんびゃっぴきいるんですか?
チョウは世界では約2万種いますが、日本ではそのうち約240種が見られます。石川県では、127種のチョウが見られますよ。たくさんいますね!!
なぜ見る角度によって色が変わるチョウがいるんですか?
チョウはいろがみえているので、いろのちがいで、しゅるいをみわけています。たとえば、アゲハチョウは、トラもようのものによってくるというせいしつがあるよ!
アゲハでいちばんとぶのはなに?
ナガサキアゲハやアオスジアゲハがアゲハのなかではよくとぶと思います。くわしくしらべられていないのでせいかくなところはまだわかっていません。
チョウの羽はなぜきらきら光っているしゅるいがあるのですか?
ちょうはなかまをみわけるために、いろいろな色をした翅をもっています。そのなかでたまたま人が見るときらきらひかっているしゅるいもいるのです。
ちょうちょはどうやったらとまってくれるの?
ふつうならめったにとまってくれないチョウですが、昆虫館のオオゴマダラなら、とまってくれるスゴ技があります。ヘアスプレーなどで、成分に「パラベン」が含まれているものを探し、それを少しだけつけて昆虫館の「チョウの園」へ入ると・・・?きっとオオゴマダラがとまってくれますよ。でも、つけすぎにはご注意を。
おおむらさきはどこにいますか?
オオムラサキは、東アジア一帯や、台湾北部、ベトナム北部に生息しています。幼虫はエノキやエゾエノキの葉を食べます。成虫は樹液や腐った果実、獣糞、クリやクサギの花のミツを吸います。人が管理している、ある程度広い雑木林を好みますので探してみてね。昆虫館の近くにも来るよ。パーク獅子吼にもいるよ。早ければ6月ごろから見ることができますが、7月ごろが一番見れます。
オオゴマダラのさなぎのからは、なんまいあるのですか?
クレープのように何層にもなった一枚の膜がオオゴマダラのサナギの膜です。いくつ重なっているかは、わかりませんでした。
チョウチョはどうして ミツ吸うのですか?
本当に 不思議ですね。長い進化の歴史の中で、チョウはストローのような口になりました。液体のエサしか食べられないのです。また、チョウは幼虫と成虫の姿が全然ちがう昆虫です。食べ物もちがいます。幼虫と成虫で、エサをとりあわないようにしている、とも考えられますね。
なんでちょうはストローみたいな口でみつをすうのですか?
はなのみつは、はなのおくのほそいところにあります。そのために、このみつをのむためにはストローみたいな口がちょうどよかったのです。
ちょうちょはなんでこんなにいるんですか?
昆虫は地球でいちばん成功した生きものなのです。そのためチョウを含むむしはとってもたくさん、いろいろな種類がいるのです。
ちょうちょはどうして飛べるんですか?
チョウの先祖がハネを手に入れたから、といえるでしょうか。幼虫のときより広い範囲を移動できるように、エサの花のミツや、結婚相手を見つけられるように、進化してきたのですね。
どうしてちょうちょは はねがついているの?
ちょうちょは、いどうする方法としてとぶようになったのです。そのため、ちょうちょにははねがついているのです。
どうしてあおむしがちょうちょになるのですか?
すべてのあおむしがチョウになるわけではありません。ハバチのようちゅうや、ガのようちゅうにもあおむしがいるよ!ぎゃくに、チョウのようちゅうにも、ちゃいろやくろのしゅるいもあるんだよ。
ちょうはなんではねが4まい?
せいかくには、なぜ4まいなのか、わかりません。おおくのこんちゅうには、はねが4まいあるので、ながいあいだいきのこるために、4まいのはねがひつようだったんだとかんがえられています。ちょうのはねには、いろいろなもようや、いろがついているので、とぶだけではなく、おなじなかまであることをつたえたり、オスとメスのちがいをつたえるやくわりもあります。
ちょうちょはなんでとぶんですか? むしはなんできれいなんですか?
とてもむずかしくて、ふかいしつもんですね。なぜちょうちょがとぶのかにはいろいろなこたえがあります。そのなかで、だいじなりゆうとしては、おそらが「すいている」から、です。おそらはひろくて、じめんほどいっぱいいきものがいないので、かいてきなのです。むしはなんできれいなのかについてですが、むしはなかまをみわけたり、アピールするためにいろいろなもようやいろをしています。そのためたまたまきれいにみえるむしもいるのです。
どうしてちょうちょは色々な色があるのですか?
①自分のなかまと そうでないチョウを見分けるため ②敵の目をごまかすために、葉や、木の幹になりきるため ③自分はこんなにカッコイイ!!とメスにアピールするため(※オスがハデなチョウ)などなど・・・
あげはちょうは なにをたべますか?
あげはちょうはよう虫のときは、みかんのなかまのはっぱをたべるよ。おとなになったら、おはなのみつをのんでいるよ。
チョウは「みつ」のほかに何を食べるのですか?
チョウの口はストローのようになっているので、液体のエサしか食べることができません。代表的なのは花のミツですが、種類によっては、くさった果実の汁を吸ったり、動物のフンやおしっこに集まるものもいます。樹液にも集まるものがいますよ。水も吸います。
帽子にちょうちょがたくさんとまったのはどうして?
チョウの園に置いてある「チョウのぼうし」にオオゴマダラがたくさんあつまるのには、ひみつがあります。整髪スプレーなどに含まれている「パラベン」が、ぼうしについているのです。このパラベンは、オオゴマダラのオスがメスにプロポースするときに体内でつくる「フェロモン」というものの材料になります。だから、オスのチョウばかりがぼうしに引きよせられてあつまっているんですよ!!
日本一大きなちょうはアゲハですか、それとも、オオゴマダラですか?
日本一大きいチョウはオオゴマダラだね!本州一はモンキアゲハかな。オオゴマダラが翅を広げるとだいたい10㎝~13㎝ぐらいだよ。モンキアゲハも10㎝をこえるよ。
チョウチョはなんでキレイなのですか?
キレイかどうかは、その人によって変わります。それが美的感覚とか嗜好と呼ばれるものです。チョウにとって模様や姿、色などは、仲間を見分けるための手がかりになります。キレイと感じるのは人の心です。感動する心を大切にしてください。
アサギマダラを呼ぶためにフジバカマを買いました。箱のフタを開けて、2時間ほど
外に放置していたら、アサギマダラが箱から顔を出した花に止まっていました。
どうしてすぐにフジバカマがあると分かったのですか?においですか?
においだと思います。フジバカマにはピロリジジンアルカロイドという物質が含まれていて、アサギマダラのオスは、この物質を使って、メスに求愛するための性フェロモンを作ります。オオゴマダラのオスも同じようにパラベンという物質で性フェロモンを作りますが、パラベンのにおいに集まります。
なぜ ちょうちょは はねでとぶんですか?
チョウは、はねをもつことで、エサとなる花のミツをもとめて、じゆうにどこでもいけます。アサギマダラとよばれるチョウは、数千キロメートルもとびます。
ちょうちょはあたたかいところにいないとダメなのですか?
そろそろ出てくる「ギフチョウ」は、朝寒くても昼あたたかくなれば大丈夫です。寒くなる場所(石川県など)にすんでいるチョウは、寒い冬のあいだ、死んだように眠って、寒さをガマンします。つまり・・・もともと寒い場所にすんでいるチョウは、寒くても大丈夫な生活をしています。
アサギマダラは、どうして何千キロも旅をするのですか?越冬の為や、パートナーを
探す為だけに飛ぶきょりではないと思います。日本のみならず、台わんや海外へ行く
意味は何ですか?
昆虫たちが旅をする「わけ」は、よくわかっていないです。上に書いてある理由も、人間が考えたもので、なぜかはチョウになってみないと、本当の理由はわかりません。ですが、昆虫は分布を広げようと行動をすることが多いです。毎年北へ北へと旅をして死んでしまう種も多いのですが、アサギマダラは、南に移動することができるので、さらにふしぎですね。昆虫には、人間が決めた国境は関係なく、南西へ飛んでいるうちに、外国へ行ってしまいますね。
スカシジャノメのようちゅうは?
スカシジャノメのなかまは、その名の通りスケスケの美しい羽をもつ南アメリカのチョウですが、幼虫については、どんな姿をしているのか、何を食べるのか、残念ながら分かりません。
ちょうちょのおおきさってどれぐらい?
「ちょうのよこのおおきさ」がこの幅のことだとすると、小型のシジミチョウのなかまは2.5~3センチほど、大型のアゲハチョウのなかまでは10センチ近くになります。(モンシロチョウは4センチほどです)
ちょうやトンボはどうしてもようがちがうのですか?
チョウやトンボのめは、いろをみわけることができます。じぶんのなかまと、ちがうなかまをわかりやすくするために、たくさんのいろや、もようがあるよ!
チョウチョはなんで暑いところにいなきゃいけないのですか?
昆虫館にいるチョウは、沖縄県に元々住んでいた種類が多いので、あたたかいところが好きです。でも、種類によっては、寒いところが好きなチョウもいるんですよ。
ちょうは、なんのしゅるいですか?
チョウは、こん虫の種類でいうと、「チョウ目」という大きなグループに入っているこん虫なんですよ!ちなみにガもチョウ目のなかまです。
ちょうちょのおすとめすはどうやってわかりますか?
チョウの種類によってもちがうのですが、オスとメスでははねの色や、もようがちがうものが多いです。アゲハのなかまでは、おなかの形がほっそりしているかふっくらしているかでも見分けることができます。
ちょうは、ほねがありますか?
チョウや、ほかのこん虫たちには、人間のようなほねがありません。そのかわり、種類によっては、例えばカブトムシのように、かたい体で身を守っているものもいます。
なぜちょうは あおむしになる?
チョウがあおむしになるのは、「子どもの頃にできるだけたくさんの葉っぱを食べるため」と考えられています。虫は大人になると、それ以上大きくなりません。でも、あおむしのときは、皮もやわらかくて、食べた分だけ大きくなり、きゅうくつになれば、脱皮できます。できるだけはやく大人になるための、チョウの知恵なんですね!!
なぜちょうは ちょうになるとき さなぎなの?
う~ん、むずかしいしつもんですね。まずチョウが子どものとき、つまりあおむしは、食べるのにいっしょうけんめいです。十分大きくなったら、次は、自分のけっこん相手をみつけて、子どもを残すことができる、大人の体に大変身しなくてはなりません。チョウが子どもから大人になるために、いっしょうけんめい体をつくりかえているとき、それがサナギなのです。
チョウのようにとべるようになるにはどうすればいいですか?
チョウは、ヘリコプターやひこうきのように、地面に向かって送る風の力やジェットエンジンのようなすごい力で飛んでいるのではなく、風によっておきる気流をうまくとらえて、とんでいます。これにくわえて体のなんばいもある羽をはばたかせることで、とべるというわけです。そのため人間ほどおもさがあると、とぶことはできないのです。とりあえず、0.6gほどまでダイエットしてください!次はチョウにうまれかわれたらいいですね。
チョウはひこうきがとぶところまでとぶチョウもいるのですか?
ジャンボジェット機のような旅客機は、雲の上より高い、高度10,000m以上の高さをとびます。残念ながら、そんなに高くとべるチョウはいません。外国のオオカバマダラというチョウは、高さ490~1,250mまでとべます。
なぜちょうちょうはねでとぶんですか?
①チョウのごはんはおはなのみつです。はねをつかって、おはなへといどうします。
②けっこんあいてをみつけておいかけるときにもはねでとびます。
③たまごをうむときにも、はねをつかって、はっぱにいどうします。
ツマグロヒョウモンが羽化した時に出す赤い蛹便(ようべん)は、羽化液ですか?
 先ず、蛹便とは以下の引用文献の通りですと、蛹から羽化した昆虫が最初に排泄する便です。
  この便は、蛹の間に代謝され不要になった排泄生産物が主成分になり、主に「尿酸塩」や「水分」が含まれています(佐藤,2017)。
 この蛹便ですが、種によっては羽化後すぐに蛹の中で排泄し、その後翅を伸ばしてからする便があります。つまり二度排泄をしています。この場合二度目の排泄物は蛹便ではない、と言われる方もおられるかもしれません。
  私の見解では、その昆虫がまだ摂食していなければ、排泄物は全て羽化までの間に蓄積された物質ですので、蛹便と言ってもいいと考えています。
 少し話がズレましたが、蛹便とは「不要な排泄生産物」であり、それは「後腸」や「直腸」に溜められた物なのです(素木,1982)。
  さてここで、質問にあります「赤い蛹便」は「羽化液」かどうかに焦点を当ててみましょう。
 そもそも「羽化液」とは何かですが、文献を調べたところ、この言葉の定義が曖昧で、小学館のデジタル大辞泉には記されていますが、いつごろから使われ始めたのか由来がわからない言葉なので、とりあえずここでは「翅を伸ばす際の体液」として処理します。
 昆虫の「体液」とは、各種分泌腺から出されるものもありますが、人で言うところの血液に相当する「血リンパ(もしくは血リンパ液とも言う)」を指すことが一般的だと思います。
  「血リンパ」には、「リンパ液」、「血漿(けっしょう)」、その中に混ざった「栄養成分」、ホルモンなど「生理活性物質」、「代謝産物」、「ヘモシアニン」などなど、様々なものが含まれています。ざっくりとした説明で申し訳ございませんが、「血リンパ」についてはこれ以上のことは省きます。皆さん調べてみてください。
  この血リンパは体腔内にある隙間、これを血体腔と言ったりしますが、そこを流れています。なお、人のように血管で血液を移送するのではなく、心臓に類する器官(背脈管)で体腔内を循環・流動させています。これを「開放血管系」と言います。
 長々と記しましたが、要するに「血リンパ」は後腸や直腸とは腸壁(腸管腔を作る種々の細胞組織)によって隔たれて存在しているので、「蛹便」と「翅を伸ばす際の体液」は同じものではありません。ただし、一部は同じ物といえますので、以下に理由を記します。
  もし「蛹便」=「羽化液(血リンパ)」であればそれは、昆虫の腸壁に穴(物質移送に利用されている穴とは別に)が開いて出血しているということになります。腸壁に穴が開いている状態は普通ではありませんし、蛹便の量を考えると致命的だと言えます。
 では翅を伸ばし終えて不要になった水分や物質は排泄されないかというと、そうではありません。後腸に付属するマルピーギ管が体腔内の血リンパと接し、羽化後の不要な水分や代謝物を吸収、後腸に移送しています。マルピーギ管は人間でいう腎臓のような役割をしているのです。

 長くなりましたが、ツマグロヒョウモンが羽化した時に出す赤い蛹便(ようべん)は、羽化液か否かに対する質問の答えは、蛹便の定義に則ると意見が分かれるかもしれませんが、「蛹便は体液がそのまま出ているのではなく、マルピーギ管によって血リンパから分離された不要な水分や代謝物であり、排泄物である。羽化に使われた血リンパそのものではない」というのが答えです。
  なお、赤い色素は血リンパの色ではなく、おそらく蛹の時の色素だと思われます。
 蛹の色素が蛹便に含まれる理由は、羽化の際に外表皮の内側が吸収されるためと考えられます。外表皮である残された蛹殻からほとんど色がなくなり透明になるので、そう考えるのが妥当でしょう。
 多くの昆虫では脱皮の際に外表皮(一部外原表皮も残るとも)以外が吸収されることが知られています(古賀大三,1986)。なお、外表皮が着色されている場合、吸収されずに色は残ります。

引用文献
佐藤 臨(2017)管理されたヨシ原における安定同位体を用いた食物網解析p.64-77 岩手大学(大学院連合農学研究科 生物環境科学専攻) 
https://iwate-u.repo.nii.ac.jp/record/14320/files/SATO-Nozomu-2017-A.pdf
編:素木得一(1982)昆虫学辞典 北隆館

参考文献
平賀壯太(2007)蝶・サナギの謎 トンボ出版
編:後藤哲雄・上遠野冨士夫 (2019)応用昆虫学の基礎 農山漁村文化協会
デジタル大辞泉 小学館 https://daijisen.jp/digital/ 
古賀大三(1986)昆虫脱皮とキチン分解酵素 化学と生物 p.506-512 Vol.24,No.8 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/24/8/24_8_506/_pdf/-char/ja